島グルメ『六連バーガー』草引き侮ることなかれ!
余裕綽々。
– それが最後の…精一杯の抵抗だったんだ。-
前回の島グルメ『六連バーガー』肥料投入!から2週間、タマネギの様子を確認するのとのさばっているであろう草引きをしようということで計画。
今回もニューアイテム!草引きに良さそうだと思って準備した。
そう…いつものことだ。
いつもそうなんだ…現場に着くが着くまで、作業を始めるが始めるまでその深刻さに気付かない。
見積りがいつも甘いのだ。
『草引きっしょ?みんなでワイワイ喋りながらやろうね!』
てな具合に声を掛け島へと渡る一行。
一見すると全く問題なく育っているように見えた。
師匠の秘薬も効いて【ノケラ】による被害もあれ以上拡大していない。
談笑しながら準備を整え、作業を開始する。
今回のターゲットはこの雑草、葉っぱの大きさは5mm~10mm程度の小さな雑草で、見た目には吹けば飛ぶような小ささでMUTSURE.JPの意識の中では【歯牙にもかけない】取るに足らない存在。
早速ニューアイテムを使い、草を引いていく。
…!!
一瞬何が起きたのか理解できなかった。
ちょいと頭を整理するぜ。
①土が固すぎて草抜きフォークの突起部分が土に刺さらない
②強引に刺さったとて、ゴロゴロした土をすくうだけ
③どうにかこうにか己の存在意義まで懸けて草に絡めたところで、空しくも草は草抜きフォークをすり抜けていく
『歯牙にもかかりゃしねえっ!!』
文字通り【歯牙にもかからなかった】。
【歯牙にもかけない】存在に対して【歯牙にもかからなかった】のだ。
洒落にもならん。
己の存在意義まで懸けてこのザマである。
だから最後の、せめてもの抵抗として…何も言わずにそっと、そっとのその場に草抜きフォークを置いたんだ。
農業ナメんな!
地味に地道に手作業で草引きを進めていく。
『地道にコツコツが一番やね!!』と、みんなで草引きに取り組む。
そうこうしている内にお昼がやってきた。
お昼の便で泣く泣く帰る二人を見送って、残った三人はお昼ご飯。
ここでなんとっ!!
愛情たっぷり師匠の手作り大根サラダをいただいた!!
美味い!美味い!美味いっ!!!!!!
めちゃくちゃ美味しい!あっという間にペロリ!!
『師匠!ごちそうさまでした!!』と、昼からの作業にも力が入る!!
師匠も手伝ってくれて草引きは順調に進んでいく。
ここで師匠から『水をあげとき』とアドバイスを頂いたので、潅水作業も同時に行う。
実は肥料を撒いてから雨という雨が降っていない為、肥料がしっかりと溶けていなかったのだ。
この辺りも教えて頂いてはじめて知ることができる。
確かに土の表面に肥料が残っていたが、『そういうものなのだろう』とスルーしていた。
本当に師匠の細やかなアドバイスにはいつも助けられる。
たっぷりと水をあげると何だか【シャキっと】して見えて、それなりに様になっているような気がした。
それにしても冒頭でも触れたが、初めての農業とは言えMUTSURE.JPはいつも見積りが甘い。
『農業ナメんな!!』である。
毎度毎度様々な学びを経る度に、『農業ナメんな!!』と自戒すると同時に、社会で問題となっている【食品ロス】なんかに対する関心が高まっていく。
だからどうこうということではないが、食事をした際に感じる【美味しい】が今まで以上に【美味しい】になったのは確かだ。
言わば【美味しい】のステップが一段上がった状態だ。
これはラッキーだ。
素人とは言え、農業を経た者と経ていない者では同じものを食べても【美味しい】から得られる幸福感が違うのだから。
当たり前を当たり前と思うなかれ、草引き侮ることなかれである。
六連島秘伝農法を導入
草引きと潅水作業が終わってから師匠の畑を見せてもらった。
美しい…。
『昨日今日はじめた奴等が何を偉そうに!』と、師匠にお叱りを受けてしまいそうだが、その畑は何もかもが違っていた。
当然雑草なんて存在しない。
土はキメが細かく、ずっと触っていたくなる。
畑の造形美と規則正しく植えられた苗の伸び方にも様式美を感じる。
これがプロの技、いつか辿り着きたい領域だ。
師匠の畑を観察していてふと気付く。
『師匠これって〇〇ですか?』
『そうよ、いっぱいあるけえ持っていき。』
『いいんですか!!!!!!ありがとうございます!!!!!!』
六連島ではタマネギ畑に〇〇を使うという噂は聞いていた。
その〇〇を使うことができるとは夢にも思わなかったので、脊髄反射的に飛びついて”MUTSURE ISLAND FIELDS”に使った。
〇〇が何なのかは言わない。
ひとつの品種で半分のエリアという感じで、使用した部分とそうでない部分で差が分かるようにしたことで益々育ち方や収穫が楽しみになった!!
こうして今まで以上に成長や収穫が楽しみになっていくのも、同じ時間を共有し、互いを知り、信頼関係を構築していく中で辿り着いた未来…そう、これまで六連島の皆さんと一緒に取り組んできた様々な事、いまこうしてMUTSURE.JPが畑をやらせてもらったり、そこに関わる人たちの関係など誰が想像できただろうか?
少なくともMUTSURE.JPは、今のこの状態は想像もしていなかった。
ニュースになるような特別なことが起きてるわけじゃない、けど当たり前でもない瞬間の連続の最中、こうして【仲間】たちと過ごした時間のことを記しながら、どうなるかわからない未来(タマネギの収穫)に夢膨らませることを幸せに思う。
『関わる度に、好きになる。』それが参加する離島、六連島。
つづく。
次回はようやく師匠のお役に立てるかも!!
慣れてきたのか、身体は心地よい痛みに変わってきました。